もい!
大学時代、1年目のゼミで扱った内容が電力小売り自由化だったので、妙に電力会社に詳しくなりました。
昨年、新電力の燃料費調整額上限が撤廃されて一気に電気代が上がるというニュースが流れましたね。覚えてますか?
覚えてない人はこの辺りの記事を読もうね。
プランにもよりますが、電気代には、「基本料金」と「従量課金」と「燃料費調整」と「再エネ賦課金」の4つの料金が含まれています。
そのうちの燃料費調整額が去年、燃料価格の高騰で一気に跳ね上がったんですね。
とはいえ、もし価格が跳ね上がっても顧客に負担にならないようにと燃料費調整額には「上限」がありました。(規制価格と呼ばれるものです。九電の従量電灯Bなどが当てはまります)
しかし、旧一般電気事業者(九電とかね)の一部の割引プランや、新電力の会社の料金プランは「自由価格」で、上限を定める必要がないわけです。
燃料価格の高騰で調達コストが上がったから、安定供給を続けるためには上限を撤廃して電気代を上げるしかない。これが新電力の上限撤廃の理由です。
面倒なことはおいといて、値上がりといっても、どれくらい変動するの?という人もいると思うので、実際に計算してみた結果を載せておきます。
燃料費調整額の上限撤廃で電気代はどれくらい変わった?
今回は、九州電力と、私が契約していたENEOSでんきと、幼馴染が契約していたシナネンでんきを比較してみました。プランはすべて従量電灯Bです。
10月 | 11月 | 12月 | 1月 | |
九州電力 | 1.94 | 1.94 | 1.94 | 1.94 |
ENEOSでんき | 1.94 | 1.94 | 7.63 | 8.12 |
シナネンでんき | 5.74 | 6.69 | 7.55 | 8.04 |
シナネンでんきでは5月から、ENEOSでんきでは11月分から上限が撤廃されました。
ちなみに九州電力も今上限の価格になっていますが、そもそもの基準単価が他と比べてかなり安いので上限に達しても燃料費調整単価は1.94円(離島ユニバーサル料金込み)を超えることはありません。
余談ですが、なんで九電が安いのかというと、今でも原発が動いているからです。
一方で、上限撤廃を決めた東北電力の電源構成には、震災以降原発はありませんから、火力が中心になっています。
燃料を調達している割合が違うので、原発の稼働している九電は安いんですね。
東北大震災のとき、多くの犠牲者を出した原発ですが、日本のように国外からの燃料に頼っている国で原発をなくすのは難しいのかも…。とはいえ日本は地震大国でもあるから、原発も危険だっていう。
2023年1月から9月分は電気代が割引に?
そんな値上げラッシュで、電力会社によっては電気代が倍近くに跳ね上がる事態が起きています。
さすがにあかんと思ったらしい岸田さん、今回はちゃんと支援策を実行するようです。
簡単にいうと、どの電力会社を使っていても、燃料費調整単価を7円引き(9月だけ3.5円引き)にしますよ~ということです。
割引した結果、1月の燃料費調整単価はこんな感じになります。
1月 | |
九州電力 | -5.06 |
ENEOSでんき | 1.12 |
シナネンでんき | 1.04 |
燃料費調整額分を試算してみた。
先ほどの燃料費調整単価に、一般家庭の平均的な使用量の250KWhを乗じた結果がこちらです。(1月は7円引きしてあります)
10月 | 11月 | 12月 | 1月 | |
九州電力 | 485 | 485 | 485 | -1265 |
ENEOSでんき | 485 | 485 | 1907.5 | 280 |
シナネンでんき | 1435 | 1672.5 | 1887.5 | 260 |
見事に逆転現象が起き、安い安いと言われた新電力が旧電力に負けることになりました。
1月からは値引きがありますが、それでも、およそ1500円の差があります。
1年間だと、1500*12=18000円の損になりますね。
新電力会社は、独自の値引きがあることでお得だといわれていたのですが、シナネン電気は毎月100~150円程度、ENEOSでんきは毎月50円程度です。1年間でまあせいぜい1200円~1500円程度の割引なので、今となってはという感じですね。
九州電力 冬の節電プログラムで2000円のペイペイポイントをもらうのです。
九州電力では現在、冬の節電プログラムを実施しています。
2022と書いていますが、期間延長になったので今月末(2023/1/31)まで申し込みができます。
このプログラムに申し込むと、2000円のペイペイポイントor2000円の割引をもらうことができます。
さらに、節約した電力量に応じてペイペイポイントがもらえたり、電気料金が割引されるというおまけまであり、なんで九電はこんなに大盤振る舞いしてるんだ?という感じですね。
実際に参加してみた結果がこんな感じです。
地味にポイントもらえるので結構楽しいです。
ただ、このリアルタイムで節電チャレンジに参加できるのは、スマートメーターのついている家庭だけです。
スマートメーターの確認はこちらを参考にしてください↓
おしまい
あっこれあかんなと思ったら、電力会社の変更はネット上からすぐできるので、
料金明細書に書いてある供給地点番号をもって九電のサイトにゴーです。
(電力会社の変更は、変更先の会社に連絡すればOK。変更前の会社には連絡はいりません)
早く電気代が安い世の中になるとええな。
おしまい。
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