【北九州市 児童文化科学館】太陽系運航儀の思い出。

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もい!

私は高校生の時、放送部に所属していて、そこそこちゃんと活動していました。

当時、私の恩師が、閉館になった児童文化科学館でボランティアをしていたんですね。

確か2年生の夏の日。

「おい!お前、科学館のナレーションやらんか!」

と言われました。

そういうのなんでもやりたい年頃だった私は「はい!」と即答。

なんで?と聞いたら、

「だって~、もう太陽系の説明も変わったじゃん?古くなったじゃん?作り替えたいけど、そんな予算ないし。どうしよ~って話になったけど、そういえばうちにアナウンスができる安い労働力あるじゃん!って思って。」

と言われました。今考えたら普通に失礼だし、よく考えたら市も何やってんだって話ですよねw

私が担当することになったのは、「太陽系運航儀」のナレーションでした。

ボタンを押すと自動的に流れてくる音声です。

児童文化科学館の太陽系運航儀は日本一大きいとかなんとかで、結構迫力あるんですよ。

何日か練習してさくっと録音。録音は一発どりでクリアしました。

当時の私は練習熱心だったからなあ。

ちなみに、報酬として科学館のチケットを5枚くらいもらったような気がします。

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科学館の閉館

せっかくナレーションを担当させていただいた科学館でしたが、2021年の12月に閉館してしまいました。

日本一大きい「太陽系運行儀」見納め 北九州市立児童文化科学館閉館へ | 毎日新聞
 北九州市立児童文化科学館(八幡東区桃園3)が26日で閉館し、61年の歴史に幕を下ろす。天文学習に訪れた多くの子どもたちを引きつけた直径7メートルの大型立体模型「太陽系運行儀」も見納めで、担当職員は別れを惜しみつつ、最後の解説に力を入れる。【青木絵美】

このころには私はもう地元を離れていたので、閉館した後にこのニュースを知ることになります。

ああ、私の声なくなるのか…さみしいなあ…でも太陽系運航儀は一緒にお引越しするみたいだしまだあるのかな?なんて思いっている間に、スペースLABOが開業しました。

トップページ - スペースLABO|北九州市科学館
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恩師の訃報

スペースLABOの開業からすぐ、恩師の訃報が届きました。

運命とはなんと残酷なものか、恩師は長年勤めた高校を退職し、念願の科学館で勤務し始めた矢先に急逝なさったのです。

私は恩師のことが大好きでした。卒業してからも連絡をくれ続けていました。

突然の訃報にショックが大きく、通夜に呼ばれたけど、行けませんでした。

亡くなった恩師を目の当たりにするということが私にはとても耐えられないと思ったからです。

その代わり、家の近くの高台に上って天体観測をしました。

天体観測のことを楽しそうに教えてくれた恩師への最後の挨拶のつもりで。

あー、なんか大事な思い出がなくなったな。

思い出…

あっ。

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あの音源どこいったんだろう。

そういえば私はナレーションの音源をもらっていませんでした。いやもらったのかな。17歳のときに家出して以来私物は全部捨てられたのでちょっと定かではないです。

科学館もなくなり、どころか恩師まで亡くなり、もしやもうあの音声は二度と手に入らない…?

これはまずいと思い、慌ててスペースLABOに問い合わせを送りました。

「太陽系運航儀って結局スペースLABOに引き継がれたんですか?」

なんか新聞記事とか見てたら、太陽系運航儀は引き継ぐという話が載ってたからですね。

スペースLABOからの回答は、

「残念ながら引継ぎはされておらず、太陽系の模型の一部のみ展示しています。」

わお!

こりゃまいった。ばらされていたのか。

あーもうどうにもならないか…と悲しみつつも、一応続けてこう送りました。

「実は私は太陽系運航儀の中の人で……。恩師の縁で…でも亡くなったから…。貴重な思い出の欠片だけでも引き継がれててよかったです…。」

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それから数週間後

もう返信ないだろうな~と思ってあきらめていたのですが、急にスペースLABOから返事が返ってきました。

「今日現地確認してきました。音源のCDそのまま入ってたので送ります。」

わお!

え、現地そのままなん。

なんか勝手に取り壊されたものだと思い込んでいました。

幸い、私の音源は、当時恩師と親友と一緒に制作したディスクがそのまま残っていました。うれしすぎる。

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8年ぶりの再会

丁寧にメッセージ付きでおくってくださいました。

ディスクを見て、そういえば恩師が「せっかくだから印刷しよ~」といって印刷していたことをおもいだしました。そういうのが好きな人だったな。

まあもう実物には会えなくなったことだし、そもそも私の声だし公開しても怒られることはないと思うので貼っておきます。

ありがとう、スペースLABOの方。ありがとう、先生。

おしまい。

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